武内 歩(Ayumu Takeuchi)

(ビジョン創造スクール2期生、ダイアログスクール7期生)

 

「大きくなったら何になる?」

皆さんは小さい頃、何と答えていましたか。そして子供たちの答えを聞いたときにはどんな風に感じますか?

この質問は私が好きな質問で、今でも友人に転職の相談を受けたときによく問いかける質問です。そして自分に問いかける問いでもあります。

これまでの幾つかある転機のたびにこの質問を自分に投げかけ、自分のできること、足りないこと、好きなこと、嫌いなこと、そういったもの元に選択肢から選んできた気がします。そしてこのやり方で問題はなかった、むしろ紆余曲折を経ながらも我ながら悪くない方にきているのではないかと考えていました。

ところが35歳を過ぎた頃、一気に活躍し始める周囲の人たちに全く追いつけていない、むしろ行き詰っている自分に気付きました。 「このままでは本当にまずい」そんな焦りと自分への失望にやられそうになったときに、声をかけていただき飛び込んだのが久野塾でした。

実は久野塾はその数年前にも紹介していただき、見学までした事がありました。しかしその時はなんだか強烈な集まりだな、そして今の自分にはまだ必要ない、今の自分にはもっと具体的なスキルや経験の方が必要だと感じ参加には至りませんでした。

そして改めて「このままではまずい」そう感じた時に、再び声を掛けていただき今回は迷いなく素直に参加したいと思ったのでした。

・・・今考えるとここぞというタイミングで背中を押してくださった方々がいたことは本当に幸せなことです。

そこからの2年半は正直に得がたい時間でした。
久野塾では何かが足りていないと感じ、成長したいと渇望する仲間たちに出会え、改めて具体的な自分の未来、つまり「大きくなったら何になる?」を描くためにぐっと立ち止まり深く考える時間の連続でした。

おそらくこれまでの私のやり方は大きくは間違っていなかったのでしょう。ですが掘り下げ方が浅く、仮定に対する実験も足りていなかったことに気付かされました。考え方の深度上げ、言葉に出し、小さな実験(実践)を行い、質の高い質問を受ける、このプロセスを続けることでこれまで描いると思っていたビジョンの粗さと低さに気づくことができました。

「粗い」というのはどういうことかというと、ビジョンや目標はぼんやりと設定しているものの、そこまでの道程もぼんやりとしているため手近な届く範囲のことしか実行できない状態です。「低い」というのはどういうことかというと、今できることから積算していったビジョンや目標を設定してしまっている状態です。

この二つの状態が合わさると、手近なできることをやっていればなんとなく到達できそうな目標を設定してしまい満足している状態に陥ります。

それでは活躍している人に追いつけないのは当然ですよね。

高い位置にビジョンや目標を設定することは正直不安も伴います。そんなに頑張れるのか、失敗したらどうしようと。ところが自分の場合はこの作業を行った結果、不安よりも楽しみの方が増えました。なぜかというと画素数の高いビジョンをもつことで、そこに至る道筋も見え、具体的に何が足りないのかも見えてくるため闇雲に不安にはならず、むしろ近づいている自分が楽しくなるからです。

こんなことをしたい、そのために今こんなチャレンジをしている。楽しそうに話してみると楽しそうに聞いてくれる仲間が出来ます。チャンスをくれる人に出会えます。

ぜひ時間をつくり「大きくなったら何になる?」を自分に問いかけてみてください。