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鎌田春奈(カマダハルナ)

闘塾と出会いは私の人生において必要なものだった。

ある日、上司から何気なく声をかけられ、何も考えずに参加するという選択をしたが、この意思決定がなければ今の自分は間違いなくいないだろう。

それまでの私は、会社組織=自分の視野の限界で、ここで何がしたいのか分からないが今は目の前の仕事を必死にやればいつか見えてくる筈だ。と自分のビジョンに背き、目の前の仕事を完遂させることにエネルギーを燃やしながら毎日を過ごしていた。

「あなたは10年後どうなっていますか?」と闘塾で問われたことから私の転機が始まる。

ビジョンに背いて生きてきた私の答えは勿論「描けない」だったが、無理やり「人事部門のマネージャー」という全く意思のない答えを脳裏から引きずり出し、二人一組のシェアに臨んだ。

しかし「なんでなりたいの?」と問われた瞬間、意思がないのだから何一つ答えられない。当然の結末だった。

他の塾生が真剣にビジョンを語り合う中で、30歳手前にもなって一人抜け殻状態。アウトプットもできるはずがなく他者に良い影響なんて与えられる訳がなかった。その他の講義や発表の時間には、とりあえず誰よりも手を上げる。という前向きな姿勢で臨んでいたものの、威勢が良い割には全く前に進めていない自分が非常に情けなく、同時に危機感にも襲われていた。

闘塾では、異なる業界、職種、年齢の塾生が対話を行い、至らない部分の指摘やアドバイスをいただく。普段、会社で過ごす中では絶対に得ることができなかったであろう個の考え方・知識・価値観・夢に触れたことで、ビジョンもなく目の前の仕事に追われ淡々と過ごす自分がいかに甘く世間で通用しないのかを思い知った。記念すべき初の他流試合は「市場価値がない残念な自分に気づく」ことが大きな収穫となった。

その後、ビジョンに向き合うため仕事、家庭の他に「自己投資」の時間を作った。

今まで会社、家族のため。というように他者にフォーカスを当て精一杯生きていたが、そもそも自分のために生きていない、自分の時間を作っていないことに気づいたのだ。新たに設けた自己投資の時間で、本を読む、資格の勉強をする、社外の組織や個人に自ら接触する、アドバイスを聞く、毎日気づいたことを記録に残す、感情の確認を定期的に行うなど少しずつ行動を起こしながら自問自答を繰り返し、徐々にビジョンを定める為の個のミッションが見えてきた。

私が今後成し遂げたいことの一つに「成長支援」がある。

世の間で様々な手段があるが、社内の教育担当者として現在の土俵で0から1を創り出し自社でやりきることをまずは第1フェーズとして今に至る。

以前の私と明らかに違うと言い切れるのが「自分がどうしたいのか」という観点で自身を主軸として物事を捉えられるようになったことだ。どこか人任せにしていたり、他人のせいにして未来を描かなかった過去の自分と決別が出来た。自分がやりたいことなのだから、他人に求めたって仕方がない。自分がやればいいのだ。こうも考え方が変わるとなんだか人生が楽しくなってきた。これからの未来にワクワクしている自分が存在している。

私のように他者から機会を与えられて個を磨く意識を持つこともできるが、機会を待って受け身でい続けてもチャンスはなかなか巡って来ない。

もし「このまま良いのか」「変わりたい」という思いを持っているならば、自らの意思で行動の一歩を踏み出し、自らチャンスを掴みにいくことが必要だ。北海道では他流試合のセミナー開催や種類も少なく、ビジョン創造やリーダーシップを自らが考えて「発信」を求められる場は他にない。

過去の私のように「ビジョンを描きたい」「方法がわからない」「他流試合をしたい」というニーズは今も北海道に多く潜在しているだろう。そして、そのニーズに応えるためにこの土地には闘塾がある。

今後、私が闘塾で自身の経験と言葉で夢を語りアウトプットすること、そして有意義な気づきの場を創造する為の欠かせない一人となること。これも私が成し遂げたい「成長支援」の一つの形であり、経験を語るにはまだまだ未熟な私を更に成長させるための場として、今後も精一杯盛り上げて行くことを決意とする。