谷嵜恒治さん(タニザキコウジ)さん
ビジョン創造スクール4期・ダイアログ9期生

「谷嵜、お前に紹介したい人達いるから名刺もって今から来て!」と会社の専務にいきなり呼び止められた事が久野塾を知るきっかけでした。ご挨拶させて頂くと普段お取引しないような有名企業や肩書がすごい人達が数名おり、これは何の集いだろうと思いながら皆さんの話を片隅で聞いていると、皆さんが久野塾というビジネススクールの同期生で、同期生同士の企業訪問をしているという事。その時の皆さんの表情が少年探偵団のような、何か先の見えないお宝さがしを楽しんでいるかのような表情でビジネスの話をされていたのが印象的でした。

そしてそれは私にとって、ビジネス上での仲間の大切さや面白みを知る初めての機会にもなりました。その場で久野塾に参加する事が半ば強制的に決まったのですが、当時、私の環境は翌年から名古屋支店を任される事が決まった事もあり、「理由無き自信」に満ち溢れていた時期でもありました。

まず参加したビジョン創造スクールで、まずその「理由無き自信」が理事達の鋭い質問で藁の家のごとく一瞬にして吹き飛ばされました。その印象的な質問は、「それで、谷嵜さんは将来何がしたいの?」と問われ、考えこんでしまい、答えが見つかりませんでした。

そして、その後2年間この質問に悩みつづけることになりました。これまでの社会人人生を振り返ると、今までは誰よりも業績を上げる事、そして上を目指して出世することで、自分の存在価値を見出していました。しかし会社の肩書から外れた瞬間、「私」という存在価値は何なのかを考えるきっかけになり不安にもなりました。ですが、一方で幼少期に親に将来の夢を聞かれたようなワクワク感のような気持にもなれたのが印象的でした。

そこからまず私が始めた事は自分探しの旅をするかのように個磨きシートを使い「自分は何を意識して生きているのか」を毎日チェックする事でした。

個磨きシートの内容は本当に単純な事ばかりで「ゴミ(徳)を3つ意識的に拾う」や「新聞で知らない言葉を見つける」など。ここで気づけた事は、何かを意識して生活する事で情報のインプットの質が変わった事です。そして得たインプットをどうアウトプットするか特に誰にアウトプットするかを意識できるようになりました。

そんな中、久野先生から直接ダイアログスクールへのお誘いを頂き、不安ながらも進む事に。ダイアログの場ではご存じの通り自分のビジョンに向かって「どうのように(未来を)生きて行くか」を発表する場です。それがどうしても思考の枠から抜け出せていない私には「どのように(過去を)生きてきたか」の話ばかりで内容はいつも「私は頑張ってます」の自己肯定と他責のプレゼンばかりでホントにひどい内容だったと今となっては悔しい気持ちでいっぱいです。

そんなダイアログで、印象に残っている事は、ただ業績を上げる事や出世することではなく、この会社でどのように関わって行くか自身の「責任と覚悟」を宣言できたことです。コロナ禍で業界全体が沈んでいる中、先が見えない不安や答えがない問題に直面している会社に対し、自身の能力を活かし復活の原動力になりたいと考えるようになり、自ら考え行動する事、そして実際の行動と小さな実験を通じて、更なる改善は何をすべきか?また誰と何を成し遂げたいか?をセッションを通じ自ら気づく事ができまた。

そしてもう一つ得た事として、志を高くもった同期生の存在があります。私たち9期生からオンラインでのクラスが余儀なくされましたが、逆に離れた場所の仲間ともオンライン上で頻繁にお互いの状況を報告し合い、そんな仲間の成長していく過程にとても感化されました。また、自分の成長には仲間からのアドバイスがあり、改めて多くの人に支えによって成り立っていることを実感できた事、人が成長していく姿はとても喜ばしい事だと気づけた事も改めて私の財産になっています。

現在、久野塾との関わりでは名古屋スクールの運営に携わっています。今年で2期になりますが、企業と個人のビジョンについて話合う機会もあります。ビジョン創造スクールとダイアログスクールで皆さんから頂いたギフトを、この名古屋スクールで谷嵜のエッセンスを追加して、参加してくれる皆さんへ何か少しでも気づきのきっかけや参考になるよう構想しています。私自身が思考の枠から抜け出す事がなかなかできなかった経験を、参加した頂いた方に知ってもらい一人でも多くの参加者が「なりたい私」を見つけるきっかけになる場を作りたいと考えています。

最後に、自身を見直すきっかけとなった「谷嵜さんは将来何がしたいの?」という質問に対して、今はまだぼんやりとですが、やりたい事が見えてきた所です。ビジョンへのゴールはまだまだ遠いですが、未来へ挑戦する環境を創り上げることに責任と誠意をもって取り組めています。

誇り高く、自信をもって、前へ前へ進んでいきます。