No Change, No Gain

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戸須 眞理子(トス マリコ)
株式会社 Three C  ジェネラルデイレクター、薬学博士、MBA
久野塾理事、アドバイザー

人生ってね、やっぱりなにが転がっているかわからない。

今、私は大学発のバイオベンチャーの代表をやっています。なんでこんなことになっちゃたんだろう? 去年の終わりころには見えもしなかった今の状況。でも、ワクワク、楽しいし、やっぱり私ってサイエンスが好きだったんだなあとしみじみ思っています。雇用されるビジネスライフステージの終わりが迫り、そろそろ次のフェーズを考えて、これまでの経験、学んできたことを活かして人を育てることに力を注ごうと、コーチング・研修などを目的とした会社を立てると決意したのは、2016年初頭。設立は占星学上の最良の日、2017年5月26日と決め、準備を進めていたのですが、突然に湧いたベンチャーの話。これまで解決できていない創薬の課題を解決できるイノベーション型ベンチャー。 なんて面白いアイデアで技術なんだろう!! これが社会実装されたら、どんなに社会貢献できることだろうと考えているうちに、引き受けてしまいました。そうしたら、やはりサイエンスは素敵だし、研究者は魅力的だし、ベンチャーならではのリスキーなヒリヒリ感、そういう環境にいる自分が楽しいって状況になっています。その上、兼任も可能だったので、コーチング・研修の会社、株式会社Three Cも家族の協力も得て予定通り立ち上がりました。 ビジネスライフ終盤に来て、ふむふむ、なかなか面白い展開になってきたぞっていうのが、今の正直な気持ちです。

 

久野塾に関わって、5年が過ぎました。たくさんの塾生のみなさんと重ねたダイアログは、TUBEの歌ではありませんが、海よりも深く、空よりも大きい。それぞれの個性、視点、捉え方、やりたいこと、実現したいこと、不安、悩みなど、夜空の星のごとく無限です。久野塾の中で、人生レースの先頭群にある私が、今の自分の在り方を振り返って、みなさんにお伝えするとしたら、「人生いろんなことが起こるけど、変化に挑戦しよう!」ということです。

 

世界を構成するのは火、風、水、土の4大元素という古代思想があります。リレートークを機会に、自分のたどってきた道を考えるにあたり、自分を構成する4大元素を考えてみようと思いました。私を構成する4大元素は以下だと思っています。

  1. 変化力
    父の仕事は新聞記者で、転勤族の子供でしたから、1つの地域に長く居ても3年。転校ばかり。しかし、新しいところで溶け込むのに苦労したという記憶がないのは、変化を受け入れられる力が強かったのかな。 大学を卒業してから、生命科学の研究をするために某研究所に就職。研究歴12年。その後、会社に研究員として就職したが、ある時からマーケティングに転向。マーケティングという知らない世界への変化を求められ、認められるにはやるしかないので、マーケターに脱皮。それ以後は、マーケティング担当として、外資系4社転職。 環境の変化なんて、どうってこともないと悟った次第。
  2. 好奇心(惹かれる力)
    誰かから、新しいことを進められるとやってみたい、あるいはテレビなどでみて興味があるとすぐ飛びつく傾向あり。コーチング、占星学、NLP、アンガーマネージメント、マインドフルネス、俳句、草木染、久野さんから勧められた著作、そして久野塾・・・
  3. 鈍感力
    転校を重ねても、いじめられたということはない・・と自分では思っている。昨今の社会現象からみると、きっといじめられたりしていたのかとも思うが、気が付いていなかっただけなのだろう。仕事でも、嫌な思いをしたという記憶があまりない。あまりくよくよしないし、へこたれない。気分の切り替えがすぐできる。
  4. 回復力
    失意の時間のあいだでも、その状況に真摯に向かい合おうとしていたように思う。そうしたら、どこからかチャンスがやってきた気がしている。また、失敗しても、ま、いっか・・一生懸命やったんだからと思える。モットーはGTH(元気で楽しくへこたれない)外資系で生き抜くには、必要なファクターだったと思っている。

みなさんもちょっと立ち止まって、自分の4大元素 考えてみてください。

去年、話題になったLIFE SHIFT-人生100年戦略― 先進国では長寿化になり、AIの発達などで社会環境は劇的に変化するなかで、教育-仕事―引退といったこれまでの3段階モデルは変化して、人生はマルチステージ化する、生き方の変化、働き方の変化を求められ、自分をバージョンアップさせていくことが必要になる・・・・というような内容でした。しかし、このことはいつの時代も求められてきたことだと思います。長寿化しようが、しまいが(将来、必ず長寿化するとは限らない可能性もある。厳しい地球環境の変化で人類は生物として弱体化するかも)、変化を直視し、自分で分析し、その結果に基づいて自分が変化できる柔軟性を身に着け、変化に挑戦し続けること。これがいつの時代でも大事だと思うのです。それが生物の進化の歴史です。マクロ的視点から変化をみると、LIFE SHIFTは大きな問題提起だとは思いますが、ミクロ的視点で一人一人の人生を見ると、これまでも多くの変化に富んでいるのです。仕事、家族、友達、人間関係、お金などなど、人生は突然変化し、自分の描いた通り、計画していた通りなかなかいかないことが多いです。厳しい変化が起こるかもしれないし、また、奮い立つような変化が訪れるかもしれません。どんな変化が起ころうと、それを直視し、分析し、そして自分で乗り越えていくチャレンジ精神が、自分を変化させて次のステージに導いていくと私は信じています。

 

今年、設立した会社のThree Cの想いを表すのが、Change・Challenge・Charmingの3つのCです。

CHANGE:変化することで進化する・・・生物の進化の過程で証明された真実。進化する、成長することに大事なことは、あなたがより高みへと変化すること、あなたが変化を起こすことです。Three Cは変化をいとわない、積極的に変化を楽しむ人を応援します。

CHALLENGE:挑戦することは、経験知が積み重なること。成功しても、結果としてたとえ失敗しても、あなたは充実した経験知を得ることができます。Three Cは、高い志をもち、果敢に挑戦する人を応援します。挑戦する一歩を大切にしましょう。

CHARMING: グローバルな視点から考えると、チャーミングとは人が惹きつけられる人、人がその行動に魅せられる人。少年、少女のような素直な心、好奇心をもち、高い見識と経験を活かして、リーダーとしての行動で人に感激を与えるひとになりたい。Three Cは、こういう考えの人を応援しています。

この人についていきたい、この人のようになりたいという憧れを抱かれるチャーミングなリーダーになりましょう。

 

久野塾はまさしくこのような人々が集う場です。塾の期間内にも塾生のみなさんが変化しているのを楽しんでみています。卒業されても変化・挑戦の便りを聞くとうれしくなります。

変化をいとわない、思考を停止させない、変化に挑戦していれば、いくつになってもワクワクすることに出会える気がします。No Chage, No Gain