青木千恵(アオキ チエ)
オブザーバー会員

私が久野塾で得たこと 「一生個を磨く」

・久野さんとの出会い
私は2013年、ビジネスコーチ社で久野塾長と初めて出会いました。久野さんはビジネスコーチ社のトレーナーとして多数のクラスを担当されており、私はビジネスコーチ28期でコーチングを学び始めました(同時にCTIでもコーチング資格取得を開始)。そのクラスで久野さんから「リーダーシップの旅」という書籍を紹介され、本文中の「Lead the self」という言葉が心に刺さりました。チームや社会をリードする前に、まず「自分自身をリードし、自己を探求し、自己を磨き続ける」というこのメッセージは、私の心に深く刻まれ、その後の中外製薬でのキャリアや、ビジネスコーチとしての人生において大きな指針となりました。今も個人事業主 月曜日に働きたくなる組織と人をつくるCHIE no WAにてビジネスコーチとして在る際の指針となっています。

・久野塾との出会い
その後、久野さんが「久野塾」という「個を磨く」新しい私塾を開講されていると1期生から聞き、非常に興味を持ちましたが、当時は30代が入塾条件だったため、私は正式な塾生として参加することができませんでした。そのため、2015年第4期からオブザーバーとして参加することを決めました。オブザーバーとしてそれ以来10年、塾の活動を見守り、参加し続けています。
年6回のプログラムは、テーマこそ少し変化がありますが、毎回の問の本質と年間の流れは変わりません。では「なぜずっとオブザーバーを続け、同じ問いを何度も聞くのか?」と思われるかもしれません。その答えは、私自身も成長しているため、毎年同じ問いに対する捉え方が変わるからです。また、同じ問いについて改めて考えることにより、自分の信念・価値観・ミッションが再度上書きされ、より強固なものになるからです。
塾生と参加者の間で交わされる対話は、あわただしい日常生活の中で立ち止まり、改めて自分に本質的な問いを投げかける貴重な機会となっています。これが私が継続してオブザーバーを続ける理由です。オブザーバーとしての参加でありながら、私自身への問いかけにより、今も自己アップデートのきっかけになっています。また、ビジネスコーチとしても世代の違う塾生たちが何をどのように捉え、”Why”にどう向き合うのかを観察し続けています。

・久野塾の醍醐味
あわただしい日常ではなかなかできない「自分との徹底した対話」。リーダーはまず、「Lead the self」自らに問いかけることが必要です。ただし、自問自答だけでは自らの思考の枠を超えることはなかなかできません。そこで塾生、アドバイザー、参加者の多くの志を持つ人々からの対話(質問)をもらうことで、より思考の枠がひろがり、視野、視座が変わります。初期には参加者がダイアログの中で涙する場面もあったと聴きます。それほどまでに自らの魂と向き合い、無意識化にある源のエネルギーを言語化するプロセスを体験することができること,さらにそれを心理的に安全な場で行えることが久野塾の醍醐味です。
久野塾にほれ込んだ私は久野塾での学びを社内メンバーにも体感してほしいと考え、久野さんと鈴井さんに中外製薬(私が卒業した会社)に来ていただき、ミニ久野塾セミナーを開催していただいたこともありました。

・スペシャルプログラム
久野塾の活動の中で特に印象的なものの一つが、2015年5月から始まった「リーダーシップの旅」としての萩ツアーです。私は初回から2022年まで毎年欠かさず参加し、萩にある松下村塾を訪れ、松陰神社の上田名誉宮司から松下村塾の中に入る許可をいただき、幕末の志士たちが吉田松陰から学んだ(対話した)同じ畳の上で、その精神に触れることができました。リーダーシップや自己成長について深く考え、松下村塾の風を感じることができたことは、私にとって大切な宝物です。吉田松陰は、先生として上座ではなく、志士たちと同じ円座に座っていたそうです。その同じ場所に座ることは非常に身が引き締まる思いでした。
ツアーを通じて、自分のリーダーシップを見つめ直し、他者との対話を通して学びを得ることができました。さらに美しい自然の中でおいしいものを楽しみながら、塾に関わる仲間との絆を深めることのできる貴重な時間でした(今年も開催されますので久野塾のホームページで確認下さい)。

また、現在はダイアログ塾入塾準備の「VISIONスクール」や、スピンオフとして中高校生に軸を持ってもらう「アクシススクール」も展開されています。

・これから
長年オブザーバーとして関わる中で、ダイアログを通じてはじめは言語化して、自らのプレゼンテーションが、久野塾にあつまるメンバーへのギフトとして相手に伝えることができるかに戸惑う姿をみましたが、回数を重ねるにつれ多くの塾生が自己成長を遂げる姿を見てきました。彼らは久野塾卒業後、社会において信念を持ったリーダーを体現して活躍しています。その姿を見るたびに、私自身もまた成長“し続け”なければならないと強く感じています。

久野塾では、アドバイザーのサクセッションプランも着実に進んでいます。現在は新しいアドバイザー陣が塾をリードしており、人やカリスマに依存せず、サステナブルな形で進んでいることも久野塾の素晴らしさの一つです。

この10年間、久野塾に関わる中で、私は多くのことを学び、成長してきました。リーダーシップや自己成長の重要性を改めて実感し、自分自身を常に見つめ直すことの大切さを痛感しています。また、久野塾というコミュニティーを通して、幸せの4要素の一つである「つながり」も得ています。これからも久野塾での学びを活かし、ビジネスコーチとして人として自分自身を磨き続ける旅は続いていきます。「個を磨く」という久野塾の精神は、私にとっても人生のテーマとなり、何歳になっても成長し続ける、「一生個を磨く」ことを楽しみにしています。 塾長、アドバイザー、塾生、卒業生、オブザーバーの皆様、いつもありがとうございます。