「beyond your goal」
(己の枠を超える)にワクワクする場を顕現
佐藤 久史 (サトウ ヒサシ)
ダイアログ塾4期生、ビジョン創造スクール1期生
リシュモン ジャパン株式会社
「もし今日が最後の日だとしても、今からやろうとしていたことをするだろうか」 ( “If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?”)
スティーブ・ジョブズ氏が毎朝鏡に問いかけていたと2005年に米スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチで述べた一節。
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO35455660Y1A001C1000000/
偶然にも私が学生時代から無意識のうちにしていた問いかけと同じで、これまでの人生でなした重大な決断の基礎となったことを実感しました。
さらに強く実感したのはこのような気付きそのものは、日々の周りの方々とのやり取りから来ていたと言うこと (これって久野塾的には「ダイアログ」になるのかも)。
幸運なことに私は小さい頃から両親はじめ、師や親友と呼べる方々に恵まれここまで来ることが出来ました。上記の気づきもそうですし、そこからつむぎ出された人生の夢もそうでした。社会人なり立ての頃抱いた夢は、
- 30歳までに海外に出る
- 40歳までにCFO(最高財務責任者)になる
と言うもの。
社会に出て右も左もわからない若造が毎晩朝まで飲んでカラオケし語り合いながら抱いた夢ですが、徒手空拳でガムシャラに挑みました (今から思うと久野塾で言うところの「ビジョン創造」のプロセスだったのかも)。
このような夢を前に直面するのが現実の壁。曰く、「帰国子女でもなく留学もしたことのない人に給料もらいつつ海外で仕事をする機会はない」「上の世代が詰まっているので会社で出世するのは難しい」等々、云十年前も今と変わらず直面した課題です。
これにどう向き合ったのか、それは飲み会で皆さんのご経験も含め是非朝まで語り合わせて頂ければと思うのですが、一つ言える事は「自分」の夢だったので言い訳しなかったのは本当に幸運だったと言うことです (この「自分の」=「あなたの」も久野塾のキーワードかも)。
そんなこんなで私なりの形で夢を具現化したところで壁にぶち当たりました。
チームを持ち、会社の意思決定に大なり小なり参画するようになると、とにかく物事の動きが今までと違うことに戸惑いました。
何が違うのかも分からず、現象面では、日々の細かい個人同士の対立に右往左往し、意思決定に向け関係各所の賛同を得るのに戸惑ってしまったり、板ばさみ状態に頭を抱える日々でした。
そんな頃久野さん、久野塾と出会いました。
セッションの中で愛情あふれるしかし破壊的なコメントを受け、傷をなめ合う中に醸成される同期の絆、塾生皆さんが経験されることと思いますが、そんな中で気づいたのが映画「風とともに去りぬ(Gone with the Wind)」の一節、
“Tomorrow is another day” (明日は明日の風が吹く)
でした。あせらず、敢えてすぐに結論を出さず、まさに課題書「優れたリーダーは、なぜ「立ち止まる」のか」で学んだ「The Pause Principle: Step Back to Lead Forward」です。まだ奮闘努力の最中ですが息を吹き返しました。
http://www.eijipress.co.jp/book/book.php?epcode=2181
そして改めて40歳で途切れていた自身の夢を見返しました。理事・アドバイザーの皆様初め色々やり取りする中で、
「beyond your goal」 (己の枠を超える)にワクワクする場を顕現
に挑戦しようと決断するに至りました (beyond your goalと言う言葉自体アドバイザーの方から頂いた贈り物です)。
石橋を叩いて渡るのが本分のファイナンスにはそぐわないかもしれませんが、不透明さを増すVUCA (Volatility (不安定)・Uncertainty (不確実)・Complexity (複雑性)・Ambiguity (曖昧性))かつ低成長の時代、従来の目標管理では自身を含め縮小均衡の悪循環に陥り、何より面白くありません。
であれば、目の前の制約条件にとらわれず、空想(妄想?)の翼を広げ飛び立つワクワク感を顕現していきます。ワクワクの裏にはドキドキもありますが、まずは自身から始め、輪を広げていきます。
最後に、今一つ久野塾で学んだことがあります。それは「言葉の大切さ」です。
何事も定義づけをしっかりし、議論の土台を統一する。
次回のリレートーク、私にそんな根本を叩き込んで下さった方の一人、理事・アドバイザーの岡津さんにバトンをタッチしたいと思います。
引き続き皆さんとワクワクする旅を続けていきたいと思います。よろしくお願いいたします。