堀田知希(ホッタ トモキ)
ダイアログ10期生

「人生とはなんなのか」
「自分とは誰なのか」
「人生において叶えたいことはなんなのか」

そのような漠然とした問いを自分に投げかけたことはないですか?僕は人生の中で、この問い達をきっと人より少しだけ多く考えてきたのではないかという自負があります。

こちらを読むのは久野塾において関わりのあった人ばかりではないと思うので、ここで僕の自己紹介をしておきます。

現在41歳。20代後半よりひきこもり歴7年。社会復帰リハビリを経て一般の方々と同じように働けるようになってまだ4年です。社会人としては6年生。いじめを受けた過去もあれば、実家が全焼という過去もある。外圧の多い半生でしたが現在は前しか向いておりません。今現在はスタートアップの不動産会社にて、自身と会社の成長のために切磋琢磨しております。

かつての僕は「自分はこうですよー」と胸を張って言える程の自信がなかった。言い換えるならば精神的支柱となる程に経験を積んでこなかったと言えます。こういう場においてはバックボーンというのでしょうか。やりたい事、挑戦したい事には真っ直ぐで、億劫にならず新しい世界に飛び込めるほどの気概はあれど、僕には人生一貫して取り組んだ、継続してやり遂げたという実績が何一つない。そう、僕はバックボーン・ゼロ。

それは突き刺さる程に事実であり、あまり人に突かれたくはないコンプレックスでした。

久野塾を知ったのは今からほぼちょうど2年前。不惑を翌年に控える12月、妹からの打診でした。課題質問に対して、思考と言語化、表現と対話のプロセスを経て、入塾生の「個」を磨くことを目的としたスクールがあるという話から始まり、その年に妹もクラスは違えど1年間学んだ結果実りがあったので、是非お勧めしたいということでした。

「やってみない?」

唐突な打診ではあったがワクワクが止まらず、お勧めされたその場で入塾を決めたことを今でも鮮明に覚えています。なぜワクワクしたか、それは僕の性質的に未だに経験したことがない事柄に魅かれやすい傾向であること。何かについて”考える”という行為が無意識ながらも好きであること。この2つが相まっての事でした。妹は迷走を続けている僕の特性を、本人以上に見抜いていたのではないかと今では思います。

2021年、予定通り入塾してまず驚いたのは、同期生となる皆がしっかりと社会人であり、それなりにステータス及びバックボーンがある人達ばかりであったこと。今だから言えますが、そのような場に自分は場違いなのではないかと思いつつも、精一杯背伸びして毎度課題に臨んでいました。

知らない横文字が横行し、それについていくためにきっと誰より時間を捻出し、本を読み、ネットを斜面滑走し言語の理解に勤め、自身の少ない語彙力を駆使してプレゼンに臨む。一聞すればそれって楽しいの?と思うかもしれない。それが楽しかったんです。

過去の内省において、自身では答えの出なかった言語化に至らなかったモヤモヤが、今はピースとなり少しづつはまって何かを形成しつつある感覚。尊敬するとても言葉を素敵に操るある理事さんは、それを「点描」と比喩しておられました。点をたくさん持っているからこそ、それを繋ぐことできるのだと。無自覚にも点の収集癖はあったのだけれど、繋ぐ術を知らずに生きてきたのだと気付かされた。その気づきを頂いてから、自己肯定感の低さを形成していたはずの癖は、それを高める武器であることにも気づきました。

そして何より大きな気づきは、言語化できる程に考え煮詰めなければうまく行動に移せないということ。言語化することによって人の協力や後押しが得られ、アクセルを踏むようにスピーディーに目標地点へ迷い少なく近づいて行けるということ。目標地点は遠くにおくほど小さなアクシデントは気にならないということ。という実は簡単な人生の渡り方だった。

バックボーン・ゼロ。それはキャリア形成において、活躍したい場がはっきりとしているのであればネックにしかならないのかもしれません。僕はある分野で活躍したいのではない。独自の多様性を駆使しつつ人生を謳歌したいのだ。謳歌するために、

「何をするのか」

という自分への問いかけを、今現在は久野塾に通っていた時以上に意識して生活し、事あるごとに言語化を試みている。

幸いにも入塾したことによって相談できる仲間が増えた。動かなかったら一生交わることがなかったかもしれない方々と、ダイアログ卒業から1年経った現在も交流し自分デベロップに励んでいる。相互向上できる仲間は人生においての宝であると思います。そのような尊い関係構築ができるのも久野塾ならではであると思います。

「人生とはなんなのか」
「自分とは誰なのか」
「人生において叶えたいことはなんなのか」

このような漠然とした疑問が自分の中に既にあるというだけで、僕はもう久野塾の門戸を叩いていい頃合いだと思います。是非、これを読むあなたがダイアログを通過した頃、お酒を片手に「人生」を、あなたのそして僕の「ワクワク」を語らいましょう。楽しみにしております。

最後になりましたが久野塾関係者様各位及び、入塾の後押しをしてくれた妹に最大の感謝をここに。
ありがとう。