久野塾に参加して12年、2024年は次の理事にバトン渡す年となりました。そこで12年間久野塾で受け取った「ギフト」についてお話したいと思います。

サードプレイスであること:
意欲の高い、多様な人が週末に集う場所である。利害関係が無く、参加者が他者の話を傾聴して様々な方向から意見や質問が投げ討議が開始される。私の場合、仕事では素早く結果を出す事が求められ、設定した目標から逆算をして解決してゆく方法を取ることが多い。久野塾では日常の枠組みから離れ、先入観なく人の話を傾聴し、自由に思考する事で日々時間的制約のある中ではなかなかできない、あらゆる方向から考えてみる事ができる事である。私にとっては月に一度の思考のリハビリの機会となっている。多様な考え方、そして様々な表現の仕方(これが重要と思います)に触れる事で、固定化されがちな思考パターンのリハビリの場になっています。

実験の場:
エジソンの名言に”I have not failed. I’ve just found 10000 ways that won’t work.と有名な言葉はご存じと思います。「うまくいかない方法を発見したこと」を、心理的安全性が担保された久野塾で発表し討議する事は、発表される方だけでなく参加者全員に対してのギフトになっていると思います。素早く実験をしてうまくいかない方法を見つける事が自分自身へのギフトとなると思います。

伝えるvs伝わる:
多様な人が集う場ですから、伝えたとおもっても伝わっていないという事象は皆さんも普通に経験されると思います。久野塾でもプレゼンの場面ではもちろん、顕著に表れるのが質問の場面だと思います。ダイアログを繰り返す中で身について行く場でもあるのですが、私はいまでも傾聴を怠るととたんに伝わらない質問をしてしまうときがあり、初心を忘れず傾聴する事を再認識する事が何度もあります。

継続のパワー:
理事として毎年の久野塾に参加させていただくことで、年毎の塾参加者の多様性、そしてプログラムの進化、それも失敗を気にせず実験を繰り返しながらの進化に立ち会わせていただきました。結果から学んだ事も多いですが一番のギフトは、継続する事で多様な変化を受け入れる事が自然になった事、進化の為に実験を繰り返す事はたとえ失敗しても学びとなっています。今もそして未来の塾生の皆様にも塾を卒業後は継続塾生となり継続する事からの恩恵を受けられることをお勧めしたいと思います。

答えの無い時代に答えを生み出してゆくVUCAの時代に挑戦をとめず未来を切り開いて行く為に「久野塾をどう使いたおすか」を塾生・理事・オブザーバー一人一人が考えワクワクし続ける非日常のサードプレイス、それが私にとっての久野塾の価値だと思っています。バトンタッチゾーンの2024年皆さんと一緒にギフトにあふれる久野塾での実験を楽しみたいと思います。