久野塾のベトナム ホーチミン市駐在員の石井香織と申します。
さて皆さん、ベトナムと言うとどんなイメージをお持ちでしょうか?
生春巻やフォーという米麺、民族衣装のアオザイを着た美しい女性、天秤棒を担いだ行商の人々、他にバイクが道を埋め尽くしているイメージをお持ちではないでしょうか。ベトナム戦争を思い出す方もいることでしょう。今年は天皇皇后両陛下がベトナムを訪問されるという事で、興味が湧いた方もいるかもしれません。
ベトナムについて少しご紹介しましょう。
ベトナムは中国の南に接し、海岸線に沿って南北に伸びる細長い社会主義の国です。首都である北部のハノイと南部の中心都市であるホーチミンまではおよそ札幌と博多ほどの緯度の差があり面積もほぼ本州と同じ広さがあります。ハノイは日本のように四季があり、一方でホーチミンは雨季と乾季に分かれた、いわゆる南国といった常夏の地域です。
人口は約9,000万人。平均年齢は約28歳と、街を歩くと日本に比べ子供や赤ん坊をよく見かけます。特にお年寄りと子供は大事にされ、働き者の女性が多い印象的です。
今から5年前、2012年に私はホーチミン市に移住しました。
その頃のベトナムは高いビルはほとんどありませんでした。流通が発達しているとも言えず、新鮮な魚や野菜を定期的に手に入れる事が難しく、家で和食を作ろうと思った時にどこで食材や調味料を購入しようか友人とよく情報交換したものです。日本へ一時帰国した際には調味料や洗濯洗剤をよく持ち帰っていたことを覚えています。更には当時は緩い情報統制もあり、しばしばFacebookが使えなくなることも。
ところがいつの頃からでしょう。2013年以降、全くそういった不便を感じなくなったのです。製造、建設、流通サービス(小売、卸売等)に関して外資100%の進出が認められるようになり、市場経済がより活発になりました。マレーシアで大成功しているイオンが積極的に進出してきたのもその頃です。2015年の夏からは外国人も不動産が購入出来るようになりました。現在は両都市で40階建以上のビルの建設ラッシュが起こっています。ベトナム人も積極的に投資を行っています。この傾向は当分続きそうです。
ベトナム人はどんな人たちでしょう。
ベトナム人は基本的に親日で、仏教を信仰する人が多く、日本や韓国と同様に年上を敬う儒教の文化が根付いていることが伺えます。国策としてはITと外国語教育に力を入れています。
2016年には日本語が第1外国語として指定されました。元々日本語を学ぶ人が多い国ですが、更に小学校3年生から学び始める第一外国語として英語に加えて日本語を取り入れた事も記憶に新しいところです。仕事で日本人と関わる人はほとんどの人が大学卒業で英語はもちろん日本語もしくは韓国語その他フランス語が話せるような水準の方もいます。また教育が給与に直結してくるため会社に就職した後も仕事帰りに英会話や会計、法律を学びに行くほか、MBAを取るなど積極的に学び続ける姿勢は私たち日本人も学ぶべき点があるといつも考えさせられます。
日本企業も積極的にベトナムへ進出しています。現在進出している企業は1500を越え投資件数も伸びています。ホーチミンでは日本からのODAの支援もあり、日本の建設会社と一体となってベトナムで初めての地下鉄工事も2014年からスタートしています。安定した経済成長(2016年のGDP成長率目標は6.7%)、豊富で若い労働力に加えて日系企業にとっては魅力的な投資先といえるでしょう。
今、ベトナムは毎日のようにどんどん変化しています。街の変化がそのまま経済成長のエネルギーに繋がっている事を人や暮らしの中で感じる事ができます。最近では日本向けの輸出が始まった老舗の寝具メーカーから、日本の「おもてなし営業」の精神を知りたいといった問い合わせがありました。ベトナムには新しく良いものはどんどん吸収し自らのものにしようとする柔軟で積極的な姿勢があるのです。
さあ、みなさん、変化の真っただ中にある刺激的なベトナムにようこそ!
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