「エフェクチュエーション」 次の一歩のデザインに活かす

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「エフェクチュエーション」 次の一歩のデザインに活かす

予測できない未来、思うようにならない外部環境、私たちが生きる時代はこの状態が既にグローバルスタンダードです。そのような中で活躍する起業家・イノベーター達に焦点を当てて研究したインド人の経営学者サラス・サラスバシー。共通項として、目標ありきではなく、手段をベースにした思考と行動のプロセスであることを見出し、2008年に書籍「エフェクチュエーション: 市場創造の実効理論」の中で体系化しました。手持ちの手段からスタートし、それらを使って何ができるかを考え行動し、行動する度に増える手段や関係性を組み合わせて新たな思考行動を起こし、いつしか想定外の大きな成果が生み出されるというものです。EffectとActionを合わせた造語です。
「渡辺さん、なぜそんな多様な人脈があり、活かせるのですか」と塾生さんから投げかけられた問いに、明確に答えられませんでした。内省し書籍を読むうちに、2023年10月に発刊された参考図書にて「エフェクチュエーション」という言葉に出会い、「ああ、これか」と腑に落ちました。
ゼミでは、エフェクチュエーションの5つの原則「手中の鳥」「許容可能な損失」「レモネード」「クレイジーキルト」「飛行機のパイロット」を、日本人が共感できる表現に置き換えてみます。うーん、よくわからないですね。これらは英語圏の諺、つまり経験則をぎゅっと凝縮した知恵の言葉を使った表現なので、日本語圏の私たちにはイメージしにくい。しかし、近しい日本語や諺を探して置き換えれば、理解しやすくなります。目的志向より経験志向が強い傾向がある日本人は、多くの場面で意識せずそう行動していたことに気づくでしょう。気づけば、次からは自分の手段として使うことができます。そして、私自身が事例を探して5原則に当てはめたケーススタディを紹介しますので、参加者に精査していただきたい。半年後の私は、塾生さんからの問いに応えられているでしょうか。最後のワークは、参加者ひとり一人が手中の鳥をみつけ、次の一歩を考えます。
エフェクチュエーションは、新規事業やイノベーションといったビジネス上の課題だけではなく、一人ひとりの日々の喜びや身近な家族や地域の仲間の幸せにも活かすことができます。軸を見つけた、ビジョンが見えてきた、さあ次の行動をどうデザインするかのエフェクティブな知恵と勇気になることを願って企画いたします。

1. エフェクチュエーションとは
2. ワーク1 「5つの原則」を日本の言葉に置き換えよう
3. ケーススタディの紹介
4. ワーク2 あなたの「手中の鳥」は何か、それらをもってどう行動するか

参考図書
エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」
吉田満梨・中村龍太 ダイヤモンド社
参考オンライン講義
「やさしいビジネススクール エフェクチュエーション(吉田満梨・神戸大学)」
https://yasabi.co.jp/syllabus/effectuation/

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