谷 丈太朗(タニ ジョウタロウ)

ダイアログ10期、ダイアログアドバンスド3期

「あなたのビジョンは何ですか?」
すべてはこの「問い」をきっかけにスタートしました。

恥ずかしい話、私は、これまで二十数年のビジネスキャリアの中で、常にビジョンを追い求め続けている自負がありました。ところが久野さんのコーチングを受ける中で、自分自身が持っているミッション、ビジョン、バリューは経営や事業においての設定になっていることに気づきました

それは本当にインパクトのある気づきでした。
おそらくは20代の頃には、ぼんやりと持っていた個人ビジョンが時間を経て、会社や事業のビジョンと合致してしまっていることでした。

それ自体に問題や課題を感じてはいなかったのですが、自分自身が、「何を果たすべきか?」「どんな未来を約束するのか」「大切にすべき精神」は何かを考える段階に来たと改めて感じました。明確でなかったビジョンとは、変化に対応することや挑戦するということで、その先の未来は開けるという曖昧なものでした。

「個人のビジョンを持っていなかったという事実に、気づいていなかった自分が怖い」
自分自身の内省や読書だけでは気づけない、更にクリティカルシンキングはもっと難しい。

同質性の高い環境から脱却し、もっと多くに人と対話をしていかなければ、盲目になってしまうと危機感を感じて、久野塾ダイアログ10期に申し込みさせて頂きました。

ダイアログ10期第一回のテーマは「リーダーシップ」。
「よし!」と意気込んで、課題本を読み、自分なりに考えてプロットをつくりプレゼンしましたが、副塾長の鈴井さんからは「置きに行くプレゼン」と酷評頂く始末、、、、。

その鈴井さんからの的確なフィードバックと、11人の同期の多様性に満ちたプレゼンを聞くことで、上手にプレゼンすることが重要ではないという、当たり前の事実に気づきました。「なぜ自分が久野塾の門を叩いたのか」という、本質を見極めた内省ができていない為、結果としてお題に対して、答える内容になっている。答えを出すことではなく、「問い」を生み出し、「思考」することが大切である。運の良いことに第一回目にして、素晴らしいギフト(気づき)を頂きました。

そして、二カ月に一度ダイアログに参加することが一気に楽しみになりました。(課題に追われる毎日は、正直本当に大変でしたが)

ダイアログでの学びを通して、ビジョンを持つことで「強さ」が生まれ、自信をもって道を突き進めることを再認識しました。昨年一年間の経験と学習と思考を通して、自分自身の成長は単なる通過点に過ぎず、自分自身が受けた機会と恩恵を「循環」して、次世代へバトンを繋いでいくべきだという強い使命感を持つことができました。

私のビジョンは「持続的に人が育つ環境と文化風土を持つ会社をつくる」 ことです。最終的には会社という形にこだわってはいませんが、現在の私の強みを最大化し、人が育つことを重要視する人材が輩出される装置としては、事業経営を通してつくることがもっとも近道であるというのが、私の現段階の答えです。

もうひとつは、ダイアログを通して、私自身は「人間を深く知りたいという探求心と学習意欲」を持っていることに気づきました。このことは、 「クリエーターや異なる個性や強みを持った人が集まり、創造と共感を生む循環の実現」 という、もうひとつの使命に直結したビジョンが生まれました。

私は言葉の力を信じています。
「思考を言語化する」ことの難しさを理解した今だからこそ、言葉にすることを怠らないことが、未来的価値を確実にすると考えます

この気づきが皆様の何かのお手伝いになれば幸いです。そして、講師、塾生、同期の皆様から頂いた素敵なギフト(問いと気づき)が、私の糧となっております。本当に感謝しかありません。ありがとうございます。

私も久野塾の循環の一助となれるように、今後も個を磨いていきます。