里中美紗子(サトナカミサコ)
名古屋1期生、ダイアログ10期生、アドバンスド3期生

私にとっての始まりは、名古屋に転勤してきて3年程が経過した頃。

「久野塾っていうのがあるけど、仕事でモヤモヤしてるなら行ってみなよ!」

仕事どころか人生でモヤモヤしていて、「仕事一筋の独女だし身体酷使してるし、突然死した時に備えて断捨離でもしておくか」と半ばちょっと投げやりメンタルになっている時期だった。社会人塾と言われても全くピンと来なかったのが最初のこと。
私は小中高で塾に行った経験がなく(そこは両親に感謝)、学校以外の勉強に慣れておらず、社会人になってもセミナーや塾は「こうある(する)べき」を押しつけられるイメージで、自分でお金を出して参加したことは皆無。ただ今回だけは、勧めてくださったのが社会人人生の中でも指折りなくらいお世話になった上司だったので、選択は「はい」か「YES」のみだった。

思い切って参加してみたビジョンスクールで、ビジョンを考える沼に一気に沈められ、想像以上にフレンドリーで気さくで、言葉のナイフの刺し方も絶妙な、素敵な塾長と理事の皆様に出会い、すっかりファンになってしまった。

久野塾のスタイルは、他の方々のリレートーク でも詳細に記載されているけれど、
・講師陣が、とにかく手厚く塾生を受け止めてくださる。破壊的コメント=エアビンタも飛び交う!笑
・他の塾生も参加者も常にオーディエンスとしてその時プレゼンする一人一人に集中、注目してくださる。
・オンラインではチャットにコメントや参考アドバイスが溢れるので、それ自体もものすごいギフト。
など、得られるものや刺激こそ破壊的に大きい。

しかし最も重要で久野塾らしいところは、そこで築かれた関係が続き、繋がり、広がっていくことだ。
かなり踏み込んで各自の人となりが明かされたり、一つの問いにそれぞれの解を出し合っていくため、多様性からも学ぶことができる。
ほぼ初対面の人達が、考えも意見も発想も否定することなく、一人一人を肯定してくださるから、サードプレイス(=家や職場以外で、自分をさらけ出せる場所)の大切さを痛感することになった。
贅沢な時間というのは、まさにこのこと!
普通にお願いしたって講演に来ていただけないすごい方や、普通の会社生活では出会えなかった同志に出会えるのだから。

だからこそ「自分とは何か」「何を成し遂げたいのか」には真剣に向き合って考えることが必要だった。

自分自身を少し振り返りってみると。
小中高は本が好きで文系よりの、いたって普通の子。
大学選定理由は憧れのサッカー選手と喋りたいから、でスペイン語学科の一択。
在学中にNPO法人で海外ボランティア活動に参加し、バックパッカーで一人欧州をさすらうという経験もしたのに、新卒入社した会社は、たまたま聞いた社長のセミナーに感化されて決めた、語学に全く関係ない居酒屋チェーン。
複数の転職を経験し、不動産仲介、展示会企画営業、通信事業者と見事にバラバラ。

全て直感で選んで、それなりにきつい仕事ばかり。それでも仲間と上司とお客様に恵まれて生き延びることができた。
過去の転職活動中、ある面接官に言われた「一貫性がないように思えますが…」が、ぐさり。確かに、ブレブレですよね。
こだわりがあれば良かったけど、なんでもやってみたら楽しくなる実感があったので、こだわりなく業界や職種を選んできたものの。
確かなビジョンを基に自分で選んで貫いたものがないまま、流れるままに生きてきてしまったな、と思った。
ビジョンスクールで問われた、5年後10年後の自分を想像できますか?をイメージできなかったのも当然のことだった。

強烈に学んだことは、「個」にこだわり、「個」をみがくことの大切さ。そしてビジョンを持つこと。

身体が食べたものでできているように、私は私が発した言葉で周囲に認知され、行動によってさらに解像度高く理解されていく。多かれ少なかれ発信していることがあれば、誰かに必ず何かしらの影響を与えている。

そんなことを実感するようになり、生活のしかた、働き方、人への接し方、話す言葉などが明らかに変わってきたことを感じている。
ずっと組織の中での生き方を悩んでいた私が、フリーランスという生き方にも「あり」だと感じるようになったり。ずっと営業職だったけど、実はずっと自分の中にあった「デザイン」に関わりたいという気持ちを掘り起こすことができたり。お金があっても渋っていた自己投資に、躊躇なく踏み出せるようになった。

芯がないように思えたこれまでの人生も、何かの法則みたいに良き人々に引き寄せられてきた。ここに至るために歩いてきた。
私が大いに影響を受けた、起業家であり冒険家であるリチャード・ブランソン氏の言っている通り、「歩き方を教わって歩けるようになったわけではない。失敗を繰り返しながら歩けるようになるのだ」。久野塾も歩き方は教えない。歩くことの意味や、歩けるようになった先を考えさせてくれる。

VUCAの時代、人間が自身のエゴだけでは生き続けられないという大きな命題=使命を突きつけられている時代。
いつでもどこでも繋がれる時代だからこそ、人同士の対話(ダイアログ)はよりその密度や濃度で効力が変わっていく。

ここで出会えた人たちのように、自分の周囲の人たちとの対話の中に、自分の「個」をしっかりと示していきたい。
いつだって遅くない。人生が続く限り、どんな大きさでも形になってもいい。自分だけのビジョンを追いかけて生きていく。
そんな人が増えていく素敵な世界の、ひとつのピースになっていきたい。

■追記■
私流に例えると、久野塾長や理事、アドバイザーの皆さんは天才的なマッサージ師だと思っています。
脳って、肩や腰よりはるかに凝りやすいのにほぐしにくい、危険な場所。
しかも自分の手ではうまくマッサージできないし、自分なのにツボもわからない。
久野塾は、心理的安全性が最高に保たれた施術スペースで、いろんな刺激の与え方やツールで
脳をマッサージしてくださるプロフェッショナル集団です。
モヤモヤしていたり、凝ってるかも、と感じたらぜひお試しあれ!