山内英美子(ヤマウチ エミコ)

ビジョン創造5期生、ダイアログ10期生
ダイアログアドバンスド4期生

[はじめに]

私は、ダイアログを1年間オブザーブ見学した後、ビジョン、ダイアログに参加し、昨年から中高生向けのアクシス発見スクールにコーチとしてボランティア参加しています。今年改めてダイアログアドバンスに挑戦中ですが、今回、久野塾とアクシス発見スクールコーチの経験を通して得た学びについてご紹介させて頂きます。

[きっかけ]

最初に、私の久野塾との出会いについてお話します。私は企業で研究開発に携わっていますが、常々もっと自分の視野を広げたい、会社の外の世界を知りたいと思っていました。そんな時、先輩からの紹介で幕末維新研究会に参加したのが最初の出会いです。この研究会では、異業種の方々により、普段考えたことも無かった内容の対話がいきいきと行われていました。この時自分は大変なショックを受けました、なぜなら何をどう考えればよいかすら分からず、ほとんど何も話せなかったからです。その後見学したダイアログでも、深く考えたことが無かったテーマについて、真剣で激しく熱い対話が朝から夕方まで繰り広げられており、その異空間に非常に驚き、興味を持ちました。

[久野塾、アクシスコーチを通しての学び]

さて、久野塾、そしてアクシスコーチの経験を通して学んだ中で、特に重要な3つのことについてご紹介したいと思います。

一つ目は、聞き手のことを考え、言語化する訓練をすることの大切さです。ダイアログでは、リーダーシップやビジョンなど抽象的なテーマの問いに対して、自分自身の言葉で語ることが求められます。このダイアログは、実際参加してみると、見学していただけの時からは想像できないほど大変なものでした。まずそもそも、そこまで深く考えたことが無い、慣れないテーマについて考えること自体が課題でした。その上、想いをきちんと言語化し、それを伝わるように話すことはさらに難しく、とても苦戦しました。

ですがこの過程で得た大きな気づきは、言語化することによって自分自身の理解も進み、より考えを深めることができるということです。さらに、発表の場であるプレゼンでは、様々な業種の聴衆から多面的なフィードバックを一度に受けるという非常に得難い体験が得られます。温かい応援は有り難く受け止め励みにし、厳しいコメントは真摯に受け止め、次に改善を試みる、また自分自身も他の塾生に感想やコメントを発表してみる、を1年に渡り繰り返した結果、以前よりは、きちんと伝わるように話せるように変われたと思っています。

2つ目の学びは、読んだり考えるだけでなく、自分から”行動する”ことの大切さです。ダイアログの当日もそれ以外でも、自分から発言や行動を起こしてみて、その結果としての出来事や反応を観察する。そしてそれを内省して次のアクションを考える。それを意識して繰り返すうち、以前は苦手だったり、かなり勇気が必要だった行動が、知らず知らずのうちに、少しずつハードルが低くなっていきました。

そして3つ目は、当初全く想定していなかったことですが、アクシスコーチの経験を通して得られた気づきです。様々な個性を持つスクール生が、対話を繰り返す中で、ふとしたきっかけでそれぞれ個性的に大きく成長する様を目の当たりにし、対話の威力と中高生のポテンシャルに大変感動しました。また、スクール生の言葉から逆に気づかされることも多く、さらに想いを同じくする多様な社会人コーチたちと、スクールをデザインし活動する体験自体からも多くの気づきと学びを得ていると実感しています。

最後に、久野塾は、目的も活用法も人それぞれだと思いますが、私にとっては、自己修練のための実験場のようなものだと思っています。未知の新しい刺激を受け、考え、実験してみる。その結果、自分や他者のことがより理解できたり、自分の可能性を広げたりできると確信しています。この記事が、新しい気づきや学びを求める人の何等かの参考になれば幸いです。